2010/11/01

10月の備忘録

10/2、茨城県の土浦へ花火大会を見に行く。土浦の花火は
日本の3大花火大会の一つに数えられる知る人ぞ知るイベントだ。
少し肌寒い河原で視界一杯に広がる花火。
数分間に及ぶ花火師の共同打上げではその迫力と美しさで涙腺が
破られる。同じように目に手をあてる人たちが回りにもたくさん。



10/8、アイルトン・セナのドキュメント映画を見る。今年はセナ生誕50
年だとか。そして本当に早いものでセナが他界してから16年が経った。

映画は・・・あの事故の哀しみをもう一度思い出させてくれる内容で
そういう意味ではよくできていたと思う。けれど見終わった後に心の
行き場が無く、本当に切なかった。できれば「だから・・・」の部分が
欲しかった。セナが他界したその意味は何?と、どうしても僕は
問うてしまう。



10/11、連休最後。久しぶりに自転車で100km程走った。
帰路の途中1台に豪快に追い抜かれる。必死でくらいつくも、そこで
無理がたたり残り20kmはバテバテ。マイペースとは難しいものだ。

今年一番の後悔は、スタッフ・ベンダ・ビリリのライブに行けなかった事。
TVの情報番組でちらちらと紹介されてはいたものの、山口洋(HEATWAVE)の
ブログで大絶賛されており、そこまで言うのなら見に行こうと思った時には
すでに売り切れ状態。無いと言われれば余計に燃えてしまう我が煩悩。
当日券があるらしい長野県松本市まで行こうか悩んだが行動には起こせなかった。

10/23、公開中のベンダ・ビリリのドキュメント映画を吉祥寺で見る。
映画を見て、ライブに行けなかった悔しさが再燃した。

スタッフ・ベンダ・ビリリはアフリカのコンゴ民主共和国のバンド。
メンバーは下半身不随で車イスでの生活をするストリート・ミュージシャンだ。
その音楽は強い。がなりたてるシャウトではなく、威張った余裕でもなく
お金をかけた豪華なサウンドでもない。「音楽が強い」という語彙が僕に増えた。
圧倒的なリズムに乗る歓喜の声。そして心に切り入ってくるような
手作りの一弦楽器。車イスから飛び降りて跳ねまわる無垢なダンスに
涙が止まらない。



http://bendabilili.jp/bendabilili.html

9月のHEATWAVEのライブから何かが連鎖している。ベンダ・ビリリに
ここまで反応したのはバンドのフロントマン山口洋のブログのお陰だ。
そして彼がランニングで月に300km走っている事を知り、僕も走り出したが
月中に足首が腫れて今月は60kmで断念。
同じくキーボード奏者、細海魚。ライブで見た激しいアコーディオン演奏に
感激。ライブのバックで映し出されていた美しい映像(mood.films)は
細海さんの音とすごくシンクロしていて、今いる空間を高めてくれるようだ。

「細海魚」をググっているうちに、ブライアン・イーノの新譜が出ることを知る。
10/20頃、注文したイーノの新譜と細海魚のCDが届く。
二人に望むのは、聞こえない音を鳴らして欲しいという事。印象派の絵画が
見えないものを描いてくれたように・・・。

月末は大阪に出張。帰りは京都に寄り道。阪急電車~嵐山~龍安寺へ。
10月は誕生日月だっだせいか、なんだか沢山の事を思った。
花火や映画ではよく泣いた。音楽雑誌にコメントしたレコード評が掲載されて
照れ臭かった。月中は父が入院して忙しかったなぁ・・・などなど思いながら
龍安寺の石庭と対話。
答えはそこには何も無いのだけれど、帰ろうとしては、後ろ髪を引かれ
また観賞。もういいか、と思ってもまた振り返って観賞。
毎回、もう少し見ていたい気持ちのままそこを離れる。
すると胸がちょっとキュンとする。それが僕の龍安寺だ。



今月は、どんな月になるのか・・・楽しみだ。