2010/03/26

つくばりんりんロードを走る


お彼岸の連休に筑波鉄道の線路跡に作られた
「つくばりんりんロード」を走りました。

(筑波鉄道は1918-1987年の間、土浦~岩瀬間を
 走っていた全長40km鉄道です)

信号のないまっすぐな道
当時の駅のホームはそのままに
土浦市から出発し筑波山麓を半周する道のりは
今まで自転車で走っていた道路とは少し違う
不思議な「時」に出会えた道でした。

映画「Stand by me」ではないけれど、
線路を歩くと言うのは
子供の頃どきどきしながら歩いた
懐かしい冒険心を思い出し、

風化し始めたホームや沿線の風景は、
夢で何度か見ていたような
現実にはない懐かしく不思議な世界のよう。



春のこの時期は、
役目を終えた線路の傍らに咲く
スミレや菜の花が本当に美しい。

見えはしなかったけど
多分天使もいます。
深夜になれば
ここは銀河鉄道の発着駅にも
なっているはずです^^




音で言えばこんな風・・・
(青い夏/山本潤子・伊勢正三)

2010/03/17

SOLDIER OF LOVE and AVALON



ジャケットのデザインにやられたって1枚
SADEの10年ぶりの新譜「SOLDIER OF LOVE」です。

SADE=おしゃれ、などと言われますが
この無駄のなさ、深く強く豊かな音
アルバムタイトルもそうですが
シャーデーは「かっこいい」と思います。

こういうサウンドは、大きなスピーカーで包まれるように
聴きたくなりますね。それはきちんと向い合って聴くという事。
(そういうアルバムが近頃減ってきたなとか思いつつ)
一つ一つの楽器の音をしっかり逃ないように聴いています、今も。

完全に蛇足ですが
ROXY MUSICの「AVALON」のジャケットと
ちょっと世界観が似てるかも^^

2010/03/01

15の春


今日から3月
卒業や進学、そんな新しい一歩を踏み出す時期

ヘルマン・ヘッセの小説”ガラス玉演戯”に
綴られた「階段」という詩が大好きです。

***

「階段」 
     ヘッセ/高橋健二(訳)

花がみなしぼむように、
青春が老いに屈するように、
一生の各階段も知恵も徳もみな、その時々に
花を開くのであって、永続は許されない。
生の呼び声を聞くごとに、心は、
勇敢に、悲しまずに、
新しい別な束縛にはいるように、
別れと再開の覚悟をしなければならない。
およそ事の初めには不思議な力が宿っている。
それがわれわれを守り、生きるよすがとなる。

われわれは空間をつぎつぎと朗らかに渉破せねばならない。
どの場所にも、故郷に対するような執着を持ってはならない。
宇宙の精神はわれわれをとらえようとも狭めようともせず、
われわれを一段一段高め広めようとする。
ある生活圏に根をおろし、
居心地よく住みついてしまうと、弾力を失いやすい。
発足と旅の覚悟のできているものだけが、
習慣のまひ作用から脱却できるだろう。

臨終のときも、なおわれわれを新たな空間へ向け
若々しく送ることがあるかもしれない。
われわれに呼びかける生の呼び声は、決して終わることはないだろう。
では、よし、心よ、別れを告げ、すこやかになれ!

***

あらためて読んでみて思う事は
毎日が階段なのだ、という事。
今日と違う明日を
恐れてはいけない事。

東京の公立高校は
今日が合格発表日。
15歳の春を目にして
事の初めに宿る不思議な力に
たくさんの元気をもらいました。